食ブロガーTakiさんの記事で注目を集めているお店、中国料理店「黒猫夜」銀座店。
まるで東京じゃないような現地感。台湾料理ビュッフェが最高に美味しかった。 - ウォーキングと美味しいもの
こちらで2月2日よりランチを再開する(しばらくお休みされていたとのこと)との情報を仕入れ、先週さっそくお邪魔してきた。
※本日の目次
■居心地のよい店内
銀座7丁目交差点からすぐ、第二新橋会館の8Fにある「黒猫夜」は、地下鉄の銀座駅・新橋駅、いずれからも5分程度。
※ランチサンプルの後ろに、ビル内のお店の名前がずらり。clubが目立つ、さすが銀座
エレベーターを降りるとすぐにお店の中。
12時半ごろに1名で伺ったところ、先客は男女ともにおひとりさまが多かった。
ランチメニューはいたってシンプル。
週替わりの土鍋ランチ(A)と、それに中国茶とデザートがつくもの(B)、土鍋をグレードアップさせたもの(C)という3種類の展開である。
ハイクラス土鍋に心惹かれるものの、銀座に立ち寄る機会は多いので、欲張らずベーシックなAランチでいくことに。
(ハイクラスはまた、次回に)
中国料理店というと、龍の模様やらゴテゴテの壺やら、微笑んでくれないけどめちゃくちゃ働き者のお姉さんとか、無駄に背もたれが直角な椅子とか、妙に滑る長いプラスチック箸といったイメージがあるが、黒猫夜さんはずいぶん異なっていた。
今回はカウンター席に案内していただいたが、店内全体はなんともいえない、異国モダンというか、気張りすぎていないおしゃれな雰囲気。
BGMはチャイナな感じかと思いきや、洋楽が流れていた。
エゴラッピン風のジャジーな邦楽も聴こえてきたような気がするが、それは空耳かもしれない(音楽は小室ファミリーと浅倉大介ファミリーしかわからない)。
席は広く、お店の皆さんは優しく、カトラリーは使い捨てのおしぼりと割り箸(昼のみ)である。
この使い捨ておしぼりが「フカフカタイプ」(対義語:ペラペラタイプ/居酒屋「金の蔵」グループで頻出)であることに感激。
嬉しくて写真もブレブレである。
フカフカの何がいいって、心なしか、「手がちゃんと拭える感」があるのだ。
ペラペラだと、「手を湿らせた感」で留まっている気がする。
余談だが、数々の使い捨ておしぼりのなかで「マイ・ベスト・オブ・フカフカ」の座に君臨しているのは、同じく銀座にある「俺のそば」。
※写真だけでは伝えきれないフカフカっぷり。伝えたい・・・
※ちなみに夜の部にならないと、このおしぼりは提供してもらえない
■これが黒猫土鍋ランチだ!
しばし待っていると、土鍋の焼ける香ばしい香りとともに、黒猫ランチが目の前に。
本日の小鉢と薬膳スープ。
小鉢は千切りにした干し豆腐のサラダだった。
おお、中華料理だなあ。
※参考:凉拌干豆腐絲-干し豆腐の和え物:a food of the world 世界の食べ物 -旅で出会った伝統料理・郷土料理で食文化探訪!-
薬膳スープはクコの実がたっぷり。
杏仁豆腐の真ん中に鎮座しがちなアレである。
ああ、中華料理だなあ。
そう思いながらお椀のままスープをすすったが、ここでナチュラルにレンゲを使うのがエレガントレディなのかもしれぬ。
薬膳とのことだが、クセもなくおいしいスープ。
最後の一滴までいただきたく、レンゲの活躍は見送らせていただいた。
そして主役はもちろん「土鍋ゴハン」。
紅焼肉飯 ―豚角煮土鍋ゴハン―
読み方がわからず、心の中では咄嗟に「くれないやきにくめし」と読んだが、まさか訓読みするはずもなく、真実は行方知れずである。
さてそんな、くれないやきにくめし。
ゴハンはなんとバスマティライス。
長細い、ぱらっとしたお米と角煮汁の相性は抜群だ。
添えてあるチンゲンサイは程よくシャッキリ感が残っており、口の中が安心する。
パンチ力のある角煮が暴走しないように支えている・・・こんな女房が欲しい、そう思わせる鮮やかな緑である(思わない)。
そして注目すべきは「おこげ」!
黒猫ランチが目の前に届いた際、汁物は薬膳スープしかないにもかかわらず、立派なおたまが添えられていることに疑問を抱いていた。
が、ここでようやく理解。
おたまを使って、本気で土鍋の底に挑まなければ、おこげが剥がれないのだ。
ほんのり茶に色づいている程度じゃ、生ぬるい。
エイっと力を入れてゴハンをひっくり返し、しっかりと焦げたその姿にニヤニヤしてしまう。うれしい。
その見た目通りの香ばしい食感、香りが口の中に広がっていく。
最後に主役中の主役、「豚角煮」。
大きくて柔らかいカタマリがごろんごろんと入っている。
ここで脂身を食べ残すべきなんだろうか、などという考えが一瞬脳裏をよぎったが、こんなにおいしい食事を前にして、そんな無粋なことができるか!
味がしっかりついた角煮を取り囲む、淡泊なおこげとチンゲンサイ。
一緒にいただくと実にちょうどいい。
■待ってました、腸粉
黒猫ランチの主役は土鍋ゴハンなのだが、密かに、それ以上に楽しみにしていた一品が「腸粉」。
筒状に丸められた形がブタの腸に似ていることから「腸粉」と名付けられたらしいです。
黒猫夜さんの夜のメニューでは「クレープギョーザ」と命名されているとおり、
こんなかんじの、言わば「細長い水餃子」である。
これを見て
「なんかさ、あれに似てね?豚の腸」
「あー、そうかもー」
「そしたらもう、粉モンだしさ、これ“腸粉”ってことで」
という会話がなされたかどうかは知る由もないが、とにかく、数ある連想イメージのなかから「豚の腸」を選んでくるあたり、香港の方のハイセンスぶりが窺える。
断面の撮影を失念してしまったが、皮は薄い水餃子の皮のような食感で、中にはプリッとした海老が入っていた。
調味料はポン酢のような味だったが、他にもありとあらゆる味付けと相性が良さそうだ。
※ライスペーパーを使って簡単に作る方法もある様子
飲茶の蒸し腸粉 ライスペーパーで改良型 by 亜細亜食堂 [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが195万品
■食べることが楽しくなる!黒猫夜のおもてなし
黒猫ランチでいただくまで「腸粉」なるものの存在は知らなかったが、その名前とは裏腹に、さっぱりとおいしい一品だった。
こういう出会いには本当にときめかされる。
どの国のものであろうと、海外の料理をいただくことが大好きだが、それは食を入り口にして、異国の生活を垣間見ることができるわくわく感に由来するのかもしれない。
黒猫夜さんでは、このときめきを感じることが多い。
Takiさんが紹介されていたイベント「台湾屋台フェス」でも、
大きなタピオカ玉のなかに肉が入っている「肉圓(バーワン)」なる見慣れぬ料理や、
店内に発酵臭を充満させながら、敢えての「臭豆腐(くさやの豆腐版)」を提供していただいた。
ただ「おいしい」だけではなく、その食事をきっかけに異国の風を感じさせ、楽しませてくれるのがとてもうれしい。
夜は中国のお酒もずらり。
紹興酒の飲み比べも楽しいし、
中国の蒸留酒「白酒(パイチュウ)」のクセの強さに唸らされたり。
おいしいものが好き、食べることが好きな人と一緒に行きたくなるお店である。
■お店情報
黒猫夜さんは他にも赤坂見附、六本木に店舗がある。
黒猫夜 (クロネコヨル) - 赤坂見附/中華料理 [食べログ]
※六本木店はランチ営業なし
銀座店は、土曜日のスペシャルイベントなどにも力を入れていらっしゃる様子。
Takiさんが紹介していたFacebookページや、LINE(ID:@go55)で告知されるそうなので、ご興味をお持ちの方はぜひ。
黒猫夜銀座 - 東京都 中央区 - 中華料理店 | Facebook
ランチの土鍋は毎週内容が変わるとのことで、次回はどんなものがいただけるか、いまから楽しみ。
予約制で、予算3,000円からランチコースも用意してくださるとのこと。
「個室でランチミーティングなど」とメニュー上でご提案いただいているものの、おいしいものをいただいていたら仕事にならない気が・・・。
あ、夜のメニューの山羊鍋が食べたいなァ・・・あしながおじさん募集中です。