言いたいことやまやまです

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きることにした1985年生まれ。金儲け臭ゼロのブログで生きざまを書き綴っています。お金はいつでもほしい。

育児日誌ブログ「母になっても言いたいことやまやまです」を毎週月曜日に更新中!

鎌倉の朝は湯葉粥で ― 「神宗」鎌倉店

 

夏だ!海だ!湘南だ!

この夏は逗子海岸が音楽禁止・飲酒禁止と厳しい規制を敷いたとのことで、例年以上に湘南エリアのニュースを目にしたように感じる。

 

 

そんな騒動を横目に、鎌倉をふらり。

休日ともなると人でごった返し、小町通りにいたっては原宿・竹下通りを思い起こさせるほどの混雑ぶりである。

そんな喧噪をしばし忘れさせてくれる素敵な空間、老舗の昆布店「神宗(かんそう)」にお邪魔してきた。

 

 

■鎌倉「神宗」訪問

その歴史は天明元年(1781年)から。

大阪に海産物問屋を開いたことから始まっているそうだ。

関西地方を中心に百貨店内などにお店を構えており、直営店は淀屋橋と鎌倉の2店舗。

昆布、だし、ちりめん山椒や麩などを販売していて、直営店には飲食処が併設されている。

 

鎌倉店は駅からほんの少し足を延ばしたところ、「図書館の前」というとお分かりになる方も多いだろうか。

 

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※企業理念は「素(そ)にして上質」。こんなキャッチフレーズのアイドルがいたらファンになりそう

 

 

外観だけでも非常に美しい建物だが、店内もとても素敵。

 

http://www.kansou.co.jp/kamakura/cafedining/

 

すっと立って、吉永小百合さんになった気分で「AQUOS」と呟きたくなる。

 

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※中庭も! ここで言いたい「AQUOS」(液晶テレビは無いので悪しからず)

 

天井が高く、おだやかなBGMも心地よい。

食事処に入ると、ふんわりと出汁の香りがした。

心ゆったりと安らげるのに、自然と背筋が伸びる空間だ。

 

■うつくしい弁当箱

いただいたのは、完全予約制の朝食「湯葉粥セット(2000円)」

席に案内されるとすぐ支度が始まり、テーブルに現れたのがこちら。

 

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まさかお粥だけ?と思いきや

 

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なんと3段重ねの弁当箱!

 

左から、湯葉粥、炊きもの、焼きもの。

湯桶に入っているのは、お粥にかけていただく餡である。

湯葉粥の後ろにはすりおろし生姜があり、

 

「まずは湯葉粥のままお召し上がりいただいて、そのあと、生姜や餡と一緒にお楽しみください」

 

とのこと。

おお、角度を変えて味わえる「ひつまぶし方式」!楽しみだ。

 

 

●1段目 炊きもの

 

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とてもやさしい味わいの炊きもの。

薄味なのにしっかりおいしいのは、やはりお出汁の力によるものだろう。

ひとつひとつの具材にしっかりと出汁が染みていて、口の中でじわっと、素材と出汁の味、香りがひとつになる。

 

とりわけおいしかったのが、とろとろの茄子と、その隣にある湯葉巻。

 

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ぎんなんが巻かれており、噛みしめると出汁がじんわり。

早食い・大食いの私も、このときばかりはじっくりとその味を楽しんだ。

 

 

●2段目 焼きもの

お出汁の味が存分に楽しめる1段目に対し、それぞれに異なる味わいが楽しめるのが2段目だ。

 

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鮭、鴨という焼きものを中心に、柴漬け、ぬた和え、そしてゆで玉子。

 

・・・ゆで玉子!

 

上につぶ昆布が乗っていて、これが実においしい。

煮玉子づくりをマスターしてからというもの、すっかりゆで玉子ファンに。

ウーン、次に玉子を茹でた暁には、塩昆布などと一緒に食べてみようか。

 

※煮玉子マスターの記録はこちらから 

煮玉子ラブストーリー(1) 煮玉子づくりに挑戦 - 言いたいことやまやまです

 

そして忘れられないのが、鴨。

 

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切れ込みが入っていて、そこにごく少量のからしが挟まれているのだ。

濃厚な鴨を噛みしめていると、からしがピリッと。

なんだこりゃあ、すごくおいしい。

 

 

●3段目 湯葉粥

 

この度のメインディッシュ、湯葉粥。

 

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湯葉が乗ったお粥であることに間違いはないが、お米の方にも、細かく刻まれた湯葉が混ぜ込まれていて、感動。

どこからどう食べても、湯葉と粥がひとつになった味を楽しむことができる。

まろやかでやさしい味だ。

 

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柴漬けと一緒に食べたり、

 

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餡と一緒に食べたり。

 

本当であればどちらもお椀に入っている粥に乗せるところだが、湯葉粥そのものの味わいを最後まで残しておきたくて、白いままにしておきたくて、蓮華に粥を少量掬い、そのなかだけで、味の足し算を楽しんだ。

 

・・・と、書く予定だった。

 

少量たしなむ程度にいただこうと思っていた「餡」。

これが、すさまじくおいしかった。

どろっと、しょっぱいものを想像していたのだが、1段目の炊きものを思わせるような、お出汁の効いたふんわりとした味。

そのまま、スープとして飲んでしまいたいほどだ。

 

お粥はお粥で堪能しつつ、最後は

 

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つゆだく(だくだく)で!

なにが「湯葉粥そのものの味わいを最後まで残しておきたくて」だ!

数秒前の自分のバカヤロー!カッコつけやがって!

 

湯桶になみなみと入っていた餡は、ほぼ空っぽの状態になってしまった。

おいしかった・・・。

 

 

●甘味 わらび餅

隅から隅までおいしかった、ごちそうさまでした・・・というタイミングで、最後に甘味が登場。

 

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黒みつは別添えで、きなこも砂糖が混ざっていないタイプのもの。うれしい。

 

日頃世話になっている「ヤマザキのわらび餅」も好きだけれど、やっぱりこういうスタイルのわらび餅、おいしい。 

残った黒みつときな粉が惜しくて、「家だったら牛乳に混ぜて飲んでただろうなあ」と、AQUOSな空間にいてもなお、貧乏くさい考えが止まらないのだった。

 

 

■空間をつくる「人」たち

最初から最後までおいしく、そして何より居心地がよかった。

建物のうつくしさはもちろんだが、それを支えるのはスタッフの皆さんに他ならない。

訪問時に対応してくださった店員さんは皆ホスピタリティに溢れており、かしこまりすぎていない、気さくなコミュニケーションを取ってくださったのが印象的だった。

 

正直なところ、もっと「恐い」お店だと思っていた。

 

というのも、昼も予約制のコースランチがあるのだが、そのメニューを見てみると、

「16歳未満のお子様のご同伴をご遠慮願っております」

と但し書き。(ちなみに、朝はお子様OK)

 

そして、食事処の扉には「写真撮影禁止」の文字。

 

そのうえ企業理念が「素にして上質」って・・・建物もやたら格好いいし、これはしまった・・・箸をひっくり返したり、変な食べ方をしたりするわけにはいくまい・・・

 

などと身構えながら入店したところ、大変温和な雰囲気の店員さんたちに出迎えられ、ほっとしたのだった。

 

実は先客に小さなお子さん3~4人を含むファミリーがいらしたのだが、彼らとも自然なコミュニケーションを取られており、例の但し書きから想像した雰囲気とずいぶん違っていて驚いた。

 

写真撮影についても思い切って尋ねてみると

「人が映らないようにしていただければ!」

とニッコリ快諾。

 

料理の解説も、食器を下げてくださるタイミングも、すべて心地よいものだった。

どんなにきれいな建物であっても、おいしい食事であっても、最後の鍵は「人」が握っているんだなあ、と思う。

 

鎌倉で贅沢な朝の時間を過ごしたい、そんなときに強くおすすめしたい素敵なお店だ。

WEBサイトはなかなか重厚な雰囲気を感じるが、気軽に予約し、訪れてみてほしい。

 

 

■鎌倉の昼も、お茶も、「神宗」で!

 

予約せずフラッと立ち寄りたい、そんな方のために、カフェも併設されている。

 

※ランチメニュー

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※喫茶メニュー

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「昆布煮汁ソフトクリーム」「昆布煮汁最中アイス」なる、アバンギャルドなデザートが興味深いところ。

次回はカフェを利用してみたい。

 

そんな「神宗」、詳しくはこちらからどうぞ。

 

神宗