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閉店間際のスーパーに寄ったら、マグロのカマの照り焼きが3割引きになっていた。
魚のカマには目がないのだ。気づいたら勢いで買い物かごに入れ、会計を済ませてしまっていた。
家に着いたのは23時過ぎ、はて・・・このカマ、どうしよう。
さすがに夜食としていただくにはヘヴィーすぎる。デブまっしぐらだ。
翌朝は納豆を食べるので精いっぱい。
翌晩、早く帰ってこられるかどうかもわからない。
・・・残る選択肢は「昼の弁当にする」だった。
「よし、明日会社に持っていこう」。
即決。好物が昼に待っているなんて、素敵じゃないか。
それだけで仕事のモチベーションも上がろうというものだ。
昼食にマグロのカマを
翌日、「ちょっと生臭いかも」という淡い不安を抱きつつも、カマ焼きのパッケージを保冷剤とともにビニール袋に入れ、さらにそれをビニール袋に入れ、念のためもう1枚ビニール袋をかぶせ、出社した。
席についてカマ袋に少し鼻を近づけてみたら、やっぱり生臭かった。ビニール袋、たくさん重ねたのに!
ああ、持ってくるんじゃなかった。というかなぜ昨日、買ってしまったのだ!おばか!
昼まで共用の冷蔵庫に入れておくつもりだったのだが、このままでは大変な被害が出てしまう。どうしよう。
ひとまず、冷凍庫に転がっていた保冷剤を袋のなかに追加投入し、自分のロッカーにしまっておくことにした。
昼までの3時間程度なら、どうにか誤魔化せるだろう。
昼を楽しみに、サクサクはかどるはずだった午前業務。
それがまさか、「生臭さへの恐怖」に追い立てられることになろうとは・・・。なにがモチベーションアップだよ!
昼になった瞬間、ロッカーに向かって駆け出した。開扉するとうおお・・・生臭い。こんなはずではなかったのに・・・。
いま私がやることはただひとつ、生臭さ発生装置(マグロ)の殲滅である!
会議室を予約し、討伐開始。
当然ながら共用の電子レンジでチンするわけにもいかず、保冷剤でしっかり冷やされたカマをそのままいただくことに。
冷たくなったカマは身が固くて、骨からなかなか離れてくれなかった。
ギャートルズも逃げていきそうな形相でかぶりつく。
早く食べ終えたいので、味わう余裕もない。食いちぎって飲み込む。
なんだよこれ、お金出して罰ゲーム買っただけじゃないか!!
なんとか完食し、残った骨やパッケージを入れたビニール袋をかたーくしめて、それを何重にもして、再びロッカーに放り込んだ。
家に帰るまでが、カマ焼き弁当です。
最後に会議室のテーブルを徹底的に拭いて、消臭スプレーをまきちらした。
クサいところにいるとクサさがわからなくなりがちなので、無駄にエレベーターホールに行き、会議室に戻ってクンクンした。よし、大丈夫だ。
会社のみなさんすみません、もう二度としませんから・・・!
心の中で叫びながら、残骸の入った袋とともにその日は帰宅したのだった。
カマ焼き、ふたたび
・・・以上のような苦い思い出があるのだが、その数日後、私はまたしても閉店間際のスーパーでカマの照り焼きに出会ってしまったのだ。
無意識のうちにパッケージに手が伸び、買い物かごに入れ、ともに帰宅。
ああ、またやってしまった。
誘惑に勝てなかった。
もう二度としないと誓ったのに・・・。
夜食にはやっぱりヘヴィー、朝食にまわす気分にもなれない。
となるとどうしたって「昼の弁当」行きなのである。
しかし私は負ける気がしなかった。
なぜなら前回の戦いで、打倒すべきは生臭さだということが判明している。
そして私は、ブリのあらを格安で仕入れた際に「湯通し」という臭み消去法を学んだばかりであった。
・・・お湯で煮沸すれば、臭みが取れ、会社に持っていけるはず・・・!
ということで、翌朝は早めに起床。
起きるや否や、マグロのカマをお風呂に入れてさしあげた。
ありったけの料理知識を動員して、ローリエなる葉を投入。いつ買ったんだか忘れたがな!
チューブの生姜も入れて、ぐつぐつぐつぐつ。
よーーーーーーく茹でて、冷まして、身をほぐし、「しっかり蓋がしまる」ジップロックコンテナへ。
・・・のはずだったんだけれど、ジップロックコンテナ、なかった/(^o^)\
▼これ本当に便利ですよね……
代替品ということで、牛角キムチの空き容器を使いました。
便利だ。
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(あまりのうれしさにInstagramに投稿)
前回の事件はいったい何だったのかと思うほど、生臭さ軽減!
ロッカーに封印する必要もなく、みんなで平和にたのしく使っている共用冷蔵庫に入れておいても、(私の鼻は)問題なかった。
さすがにレンジで温めることは遠慮したが、ほぐしてあるから無問題!
かぶりついても、身が骨から剥がれなかったことが嘘のようだ。
味わう心の余裕もできたうえに、自席で食べてもニオイ環境が無事だったことに感激である。
マグロのカマの照り焼き(煮沸ver)、おいしいお弁当だったなあ。
というわけで、スーパーの惣菜コーナーで売っているマグロのカマ焼きを弁当にするときは「煮沸」がおすすめ。
でも素直に、カマ焼きの名店(築地のJigeさんとか)に行った方が幸せに決まっているので、そのあたりはご容赦くださいませ。