福岡に行ったら「うどん」をぜひ、と薦めていただいた。
関東ではお目にかかりにくい、やわらかいうどん。昨年の夏に福岡を訪れた際もうどんを求めていたのだが、観光地・太宰府天満宮はその希望をじわりと裏切ってくれた思い出がある。
※参考過去記事:初めて食べた福岡名物「梅ヶ枝餅」の想い出 - 言いたいことやまやまです
福岡市内外で散見されるチェーン店「牧のうどん」「ウエスト」や老舗の「かろのうろん」など、訪れたいお店は数多あったが、福岡市内出身者にイチオシされたのが土井駅(福岡市東区)が最寄りの「はま亭」さんだった。
楽しく選べる具材!楽しい惣菜!それ食べて私バンザイ!イェー!
食べログの地図によれば駅から250mほどだそうだが、駐車場もそれなりの広さで、車で来店される方が多い様子。
楽しく選べる具材!!楽しい惣菜!!
楽しく韻を踏んでいる黄色いキャッチフレーズが、視界に突き刺さってくる。推薦人による「はま亭」さんのおすすめポイントは「うどんの具材がビュッフェ方式で、お惣菜も用意されていること」だったのだ。とんだパラダイス銀河である。
カウンター席と小上がりのちゃぶ台席からなる店内に掲げられた「ルール」がこちら。
あれ、「はま亭」なのに「すーさんうどん」なんだ……。
釣りバカ日誌な関係性に驚きつつ、敬愛する「喫茶アメリカン」を思い出させる手書きっぷりに心が和む。
うどんorそばor煮魚を注文する!(その料金に、惣菜は含まれています)
煮魚の唐突感も、「はまちゃん」「すーさん」が織りなす「釣りバカ日誌ムード」を察すれば驚くようなことではない。
驚くべきは、並盛のうどん・そばで550円、煮魚定食は700円(ごはんとスープも付く)という安さ。実はほかにもからあげ定食(700円・ごはんとスープ付き)、とんかつ定食、カレーなども選択できるようだ。
いずれにしても安いし、「ごはんとスープがあるとお惣菜がいっぱい食べられないから……」という声に応え、定食の単品販売もしているという気の利きっぷり。
うどん・そばを注文されたら1分〜1分半位で出来上がります。
おいしく食べていただきたいので 麺が延びる前にお惣菜をお取りください。
店が小さいので、留守番は要りませんよ!
壁には、MS P 明朝体で刻まれたと思しきWord文書が別途掲出されていた。最後の一文がグッとくるじゃないか。ではお言葉に甘え(?)、「温かいうどん」をオーダーしてすぐさまお惣菜パラダイスへ!
小上がり席から惣菜コーナーに行く際には、お店のクロックスサンダルを使うと便利。ちなみにそのサンダル、油性マジックで大きく「すーさん」と書かれていた。「はまちゃん」より「すーさん」優位なのか。
楽しく選べる具材と楽しい惣菜は伊達じゃない
お惣菜コーナーは本当にパラダイス銀河。かき揚げ、ごぼ天、いも天……いくつもの恒星が輝いている。
別アングルからも、どうぞ。お漬物系も大充実。手前にある黒いお料理は「こんきん」というコンニャクの佃煮だそうで、水が抜けてシコシコした食感が新しかった。2度おかわりしました。このあたりすべて、エンドレスお茶ゾーン(お茶・お水はセルフサービスでおかわり自由)!お茶が何杯でもおいしくいただけてしまう……
ひとくち高野豆腐に目を輝かせ、
大輪のさつま揚げに胸ときめき、
てんこもりのとろろ昆布にしあわせいっぱい。
とろろ、おあげも食べ放題!きつねうどん作り放題!
さらに、50円追加することでお茶碗1杯(たくさん盛っても少なく盛ってもOK)のかしわ飯もいただける。ちなみに白米もあるので、うどん・そばを選択したけれどお米が恋しい、という事態に陥ったらとにかく50円を追加すればいいだけです。
千切りキャベツにニンジンサラダ、乾燥ワカメ、ゴーヤのお浸し、生卵、そしてデザートになりそうな金時豆まで揃っていた。
どうして私の好物ばかりがここまで結集しているのか!すーさんはやっぱりすごい御方だなあ。
いざ、うどん
惣菜コーナーのラインナップがあまりにもうれしく、写真を撮りながらぐるぐる何周も歩き続けるという奇怪な行動をとっていたらあっという間に2分くらい経ってしまった。席に戻ればお願いしていたうどんが届いていた。麺が伸びる、急げ。
まずはそのまま、いただきます。
ぐにゃぐにゃで、食べているんだかいないんだかわからないくらいの柔らかさなのかと思っていたけれど、それはとんだ誤解。ほんのりやわらかいくらいだった。お出汁の味もやさしく、体調が悪いときにもすすりたくなるおうどんだ。
さて、ここからが勝負。生卵ととろろで「月見」、シンプルにおあげを乗せて「きつね」、ごぼ天を乗せて「天ぷらうどん」……可能性は無限に広がっている。
いまなら「これを乗せて、こうしたい」という戦略も立てられるが、お店を訪れていた際はすべての情報が初めて仕入れるものばかり。どうしようか、こうしようか、と悩み、
とりあえず、かき揚げとごぼ天を出汁に浸して食べて「ウマー!」と言い、
いも天は備え付けのアジシオ(青いキャップのやつ)でいただき、うどんに何を乗せようかと悩みながら最終的に出来上がったのが
おあげと、とろろと、とろろ昆布と、ワカメを乗せた「ワカメです。きつねがとろろまみれになりました(サザエさん次回予告風)」うどんに……。
我ながら、センスがない。なさすぎる。この写真を見るとおいしさ以上に悔しさがこみ上げてくる。もっとおもしろく、おいしく、いただけたろうに!
でも、うどんもおいしくてお惣菜もおいしいのだから、この1杯がおいしくないわけがないのです。私のうどんセンスのなさをあたたかく包んでくれる、やさしい味。ありがとう。一刻も早くリベンジを果たしたい。さつまあげを効果的に使いたい。
さて、お惣菜も本当にどれもおいしく、各種お漬物をいただきながら、ゴーヤのおひたしでさっぱりして、〆に甘めの高野豆腐、金時豆をいただいて大満足。
これらのお惣菜、1g=1.3円でテイクアウトもできるのだそうだ。前述のコンニャクの佃煮は持って帰りたいほどおいしかった!
おわりに
次回はスペシャルうどんを考案したいと思いつつ、煮魚定食、からあげ定食にも興味津々。1ヶ月くらい福岡市土井駅付近に住みたいです。