言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

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星矢も静かに応援!東京国立博物館の「古代ギリシャ展」に行ってきました

祝・国立西洋美術館の世界遺産入り!ということで、国立博物館 平成館の「古代ギリシャ展」に行ってきました。9月19日まで開催中です。

ギリシャ展

いま売られていてもおかしくない、むしろ売ってほしい!おしゃれ壺の数々

会場は紀元前6500年ごろの「古代ギリシャ世界のはじまり」から5世紀ごろまでの「ヘレニズムとローマ」に至るまで、全8エリアで構成されています。

入場するとすぐに大昔の水差しなどが並んでいるのですが、信じがたいおしゃれっぷりです。「壺に絵が描かれていました」くらいのことは想定内ですが、その絵は「人物像」「動物模写」の域を超えており、「デザイン」なのがすごい。

とりわけ感動したのは、紀元前1750年~1700年ごろにつくられた「カマレス式土器・陶器」。IKEAに並んでいてもナチュラルに溶け込みそうなほど、現代的です。

紀元前1450年ごろの「海洋様式の葡萄酒甕」はデザインパターンを再現してオマージュ商品を作ってほしいくらい。大きな壺なんですが、タコのイラストが施されているんです。Wiiの人気ゲーム「スプラトゥーン」を思わせるポップな表情もかわいいし、壺全面に、まるでツタが絡むかのようにタコの足が伸びています。その隙間には海藻のイラストなどが描き添えられていて、おしゃれでかわいい。日本では縄文時代、骨角器を一生懸命作っていたころですね。(※参考:日本史年表

日本で土偶をせっせと作っていたころから、ギリシャはエロティシズム全開

もうひとつのキーワードは「エロティシズム」であったように思います。

展示の中で最も印象に残り、ファンになってしまったのが、紀元前2800年~2400年ごろに作られたという「スペドス型女性像」シリーズです。心つかまれすぎて、おみやげにブックマークまで購入。

ギリシャ展

これでいつでも持ち歩けるようになりました。

素っ気ない見た目ですが、ひと目で「女性」とわかる曲線美の表現がすごい。臀部から太ももにかけてなんて、たまりません。そして自分で自分をギュッと抱きしめるこのポーズ、エロティックではありませんか。それを紀元前2800年に作っていただなんてなあ。ちなみに同時期、日本は土偶づくりに勤しんでおりました。

このポーズは流行りだったようで、会場の一角はずらりとスペドス型女性像が並んでいます。無表情で大きさも異なるのに、みんなこの格好。不思議な心地でした。

(散々このポーズの女性像を見せておいて、次のコーナーの「女神像」が出川さんの「WHY」ポーズだったのもまた印象深かった)

ギリシャの方々のアイデア力は実に圧倒的でして、紀元前17世紀には「乳首型突起装飾水差し」なんてものが作られています。私の画力では再現しきれないので、ご興味をお持ちの方はぜひ会場に足をお運びください。

でも、思うんです。おそらくその人の生まれ変わりが

 

こういう商品を企画したんだろう、と。

さて、もう少し最近、といっても2~3世紀とかの話ですが、そのころになると立派な石像が登場し始めます。アテナ像やアフロディテ像が並んでいましたが、薄い布が豊満なバディにまとわりつく表現たるや、まさに神の領域のテクニック。

その人の生まれ変わりが、こんな写真を撮っているのではあるまいか……。

実物を前にすると息をのみます。ただの石からこんなもの作っちゃってたのか!と、ただただ驚きです。

ポージングも絶妙でした。紀元前420年の「青年を表した奉納浮彫り」などに代表されたのが「コントラポスト」というポーズ。片足をちょっと前に出し、体重をそこに乗せる格好です。「まっすぐ立つとバカみたいだから、物憂げに片足出してみてよ」みたいなかんじで、誰かが指示出ししたんですかねえ。ちなみにそのころ、日本は弥生時代です。

紀元前から民主制

歴史の教科書で見かけた覚えのある「オストラコン(陶片)」。10年間追放したい政治家の名前を書いて投票する、というものですね。実物が展示されていました。これが紀元前3~1世紀ごろのものだとは。

「投票したい人」じゃなく、「いなくなってほしい人」という消去式投票なのがおもしろい。日本の選挙、この方式でやってみたらどうなるかなあ。

裁判時の「有罪」「無罪」を投票するための投票具もありました。針ではありませんが、形は画鋲のよう。

ギリシャ展

軸の部分に穴があいているのが「有罪」、塞がれているのが「無罪」だそうです。軸の部分をつまみ、隠して投票することになっていたそうな。シンプルながら優れたアイデア!いやー、すごいぞギリシャ。

その他いろいろ気になったことメモ

1)アフロディテに衝撃

入場して1発目に展示されていたのが、紀元前2~1世紀ごろにつくられた「イルカに乗ったアフロディテ像」。

その紹介文が衝撃でして、天空神ウラノスが、息子のクロノスにイチモツをカットされてしまい、それが海にぽちゃりと落ちたときの泡からアフロディテさんが生まれたそうなのです。

知りませんでした。美の神の出自がそんなことになっていたとは……。古代ギリシャの方の物語創造力に驚くばかりです。

2)がんばれ現代日本人!

展示の第6章は「古代オリンピック」という旬なコーナーなのですが、紀元前500年前後の展示物がいろいろ並んでいます。その当時のオリンピックは男性しか出場できず、競馬などを除いては全裸でスポーツに臨んでいたとか。肉体美の競争でもあったのですね。

展示中には再現VTRも流れていたのですが、これが実に、いただけない!

彫りの深いギリシャ人(じゃないかもしれないけれど)の方々が懸命に徒競走等している姿がカッコイイのですが、惜しむらくは、みんな「肌色のブリーフ」を履いているところ!

「全裸」という点を意識してくれたのでしょうが、興ざめしちゃうなあ。いっそ白ブリーフがよかった。オリンポス感あふれる白い布を腰に巻いておくとか。

でも歴史資料としてのVTRですから、そういうわけにもいかないんでしょうね……なんとかできなかったんだろうか……

3)ペガサス流星拳

会場の入り口にはこんなスペースもありますよ。

ギリシャ展


しかも

ギリシャ展

こんなグッズまで……

 

9月19日まで!夏休みの自由研究にもなるかも?

古代ギリシャ展はまだまだ開催中です。
こちらのページから展示物のハイライトもご覧いただけます。

www.greece2016-17.jp

年表などもところどころに掲出されているので、お子さんの自由研究にもなるかもしれません。ただ、メモを取るときは係の方に専用の鉛筆を借りてくださいね。持参ボールペンの使用はNGです。

1年前のギリシャのデフォルトのことを思い出しながら、「アートの才能が爆発しすぎている分、お金勘定が苦手なところがあるのかな……」なんて思いながら帰路についたのでした。

        \ ぜひ、会場へ! /

ギリシャ展

照れない度胸を持った、おもしろい人になりたいです

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