浅草のご当地カレー専門店「カレーランド」で「ほしいもカレー」に出会ってからというもの、ちょっとした手土産にご当地カレーをプレゼントする機会が増えた。
- 保管が楽(常温保存可・賞味期限長し)
- 割と高いので自分用には買わない
- カレーが嫌いな人はいない
選定理由は以上となります。
私自身もプレゼントに「松井家秘伝のカレー(試合前バージョン)」をいただいたことがあり、笑えたしうれしかったし風邪っぴきのときの非常食として大活躍したという恩がある。
糖質制限ファイターは嫌がるかもしれないけど、その場合は誰かに譲っていただくとして…(そのことを考えても、賞味期限が長いというのは非常にありがたい)。
そんなわけで、ブルゾンちえみの「撒いてごらん!」というアドバイスを参考に、何かというと「ほしいもカレー」をばら撒いている。うまいしかわいいしネタになるもん、きっと喜んでもらえるもん。自宅のストックがなくなると、カレーランドさんに行って仕入れる日々だ。
目次
第1回 レトルトカレーの会に参加
いつものようにカレーランドさんにギフト用カレーを仕入れに行ったところ、「ご当地カレー食べ比べの会」にお誘いいただいた。
「自然とカレーは寄ってくるから」。ちえみの言うことは本当だった。
会場は浅草の居酒屋さん。
中に入ると、30種弱のご当地カレーがずらり。これらを中心に10種のカレーを少しずついただいていく。
カレーランドのオーナー・猪俣さんの小粋なカレートーク。キッチンの奥では、猪俣さんの奥様がひたすらにご飯を炊き、お湯を沸かし、少しずつカレーを盛ってくださっている。
こんな感じで。
ところでこの写真にひと皿、いじめを受けているかのようなキャベツ皿があることにお気づきでしょうか。
かつてほんのりと糖質制限を行っていた私はいまだに「カレーライス=糖質のかたまり」という図式を脳内から拭い去ることができておらず、トラウマにも似た恐怖感から逃れるべく
ごはん代わりの千切りキャベツ2袋をあらかじめ持参しておいたのでした。
(猪俣さん、ワガママ言ってスイマセンでした…感謝です!)
勝手にご当地カレーランキング
この日試食させていただいたご当地レトルトカレー10種、せっかくなのでランク付けして10位から発表していこう。
第10位 【鳥取】鳥取ハワイ牛ホルモンカレー(648円)
ハワイの風を運ぶかわいらしいパッケージ。メーカーのあかまる牛肉店さんが”ハワイ”ならぬ”羽合”店を出店したことを機に作られたカレーは、4月末時点ではカレーランドさん未入荷の新商品。お客さんたちよりもひと足先に、食べ比べの会参加者が試食にありついた。音楽ライブで「今日は特別に…、新曲を…、歌わせていただきたいと、思います!(おー!)」というMCを聴いているときの心地!
(でも初めての楽曲だと予習できてないからノリどころがわからなくて、それっぽくリズムを身体で刻むくらいしかできないし、それすら間違うことがあるんだよなあ。いまいちエンジョイしきれない。その点カレーは初めましてでも楽しめるから、いいなあ)
ハワイらしさはパイナップルで醸し出しているのかな、と思いきや、それほどフルーティではない。「酢豚のパイナップル不要族」も安心。でもハワイを名乗るならばもっとトロピカル感がほしかったなあ、ということで第10位。
お肉は「こてっちゃん」をイメージしていただくとよいのでは。びろん・ぶるんとしたホルモンとカレーの相性、なかなかよかったです。
第9位 【北海道】びえい豚カレーとろとろ煮込み(570円)
北海道美瑛産の豚、その名も「びえい豚」の腕肉が入ったカレー。カレールウは老若男女問わず楽しめるライトなお味。もうちょっとスパイスがほしいな…ということで第9位。こればかりは個人の好みということでご容赦ください。辛いのが苦手な方にはイチオシ。
第8位【北海道】JAきたみらい 玉ねぎと鶏もも肉の黒カレー(520円)
これも北海道のご当地カレー。北海道はやっぱり、お野菜がおいしくてカレーに合うのかな。この日いただいたカレー10種のうち、3種が北海道のものだった。
黒いルウは辛くないもののしっかりとスパイスの香り。好きな味だった。ただ、”鶏もも肉”という言葉から来る「ぷりぷり肉が食べられる!」というイメージとはちょっと異なっていたので、ランクを下の方にしました。レトルトカレーである以上、保管の問題もあるので難しいのはよくわかるのだけど、もうちょっとぷりぷりジューシーだとうれしかったなあ。
第7位【和歌山】紀の国仕立てカレー(360円)
その名の通り紀の国・和歌山県の名産である梅干しを使ったカレー。これまで1,500種以上のご当地カレーを召し上がってきた猪俣オーナーですら「梅を使ったものは珍しいですよ」と語る、珍カレー。
とにかく最初に広がる梅の酸味がすごい。何も聞かされずにいただいても「梅だ」と呟いたことでしょう。そしてじわじわと辛味が出てくるのも面白い。甘酸っぱくさわやかなカレーかと思っていたけれど、意外と辛くて大人向けのカレーという印象。ちなみにお肉はポークです。リーズナブルな価格もとてもうれしい!
第6位【島根】奥出雲和牛カレー(648円)
なんとこのカレー、猪俣オーナーが現在のお仕事を始めるきっかけになったもの。このカレーで初めて「ご当地レトルトカレーって、こんなにおいしかったのか!」と気づかされたという。
そんなエピソードに「なるほど」と共感できる、これぞ正統派ご当地カレーという逸品だった。辛さは中辛、お肉たっぷり。レトルトカレービギナーは648円という価格にビビってしまうけど、これならアリかも、と思わせてくれる味。
食べ比べ会の最初にサーブしていただいたのがこちらのカレーだったので、そのあとに登場するカレーとの比較基準になった。「M-1グランプリで最初にスリムクラブが出てきちゃうと審査しづらい」的な問題が起こらなくてよかったです。
第5位【栃木】野菜としいたけの匠カレー(680円)
お肉のカレーのあとにいただいたせいか、しいたけの旨味とあっさりテイストが新鮮だった。
まんなかの丸いのが、しいたけ。ごろん。 煮込まれすぎていてグニャグニャになっちゃっているのかなあと口に運んでみると、しっかりとしいたけの食感が残ってる!意外とスパイシーなのも好ましい。さらに、しいたけのサイズがビッグな「極み」(税込800円)もある。
「極み」はカレーランドさんでも大人気商品だそうで、すぐ品切れてしまうそう。いつか食べてみたいなあ。
第4位【北海道】ほたてカレー(680円)
日本最北村の「猿払」のほたてを使ったカレー。盛っていただいた瞬間から、まろやかなほたての香りが立ち込める。
これまでのカレーと比べ、”もったり”とした見た目。辛口表記になっているそうだが、クリーミーな食感と味わいが強く、辛いとは思わなかった。まったりしているけれど、最後の最後でカレーのスパイスの香りがするのでちょうどいい。おいしいです。
第3位【高知】ぶしゅかんグリーンカレー(500円)
いよいよTOP3。第4位にしてしまったけど、「ほたてカレー」あたりから”好き”の度合いがだいぶ変わる。力強く拳を握りしめて「おいしいです」と申し上げたい品々。
ぶしゅかんグリーンカレーは、この日唯一のタイカレー系。香りだけでジャスミンライスがおいしくいただける…というくらい、いい匂い。ココナッツ感を秘めたグリーンカレー独特のあの香りのなかに、たしかに「ぶしゅかん」がいる。
と言いつつその果物のことを存じ上げないので引用すると
“ぶしゅかん”とは、酢ミカンの一種。ユズやミカンの仲間で、人間の手のような形をした黄色い柑橘類「仏手柑(ブシュカン)」とは別物ですが、一説によると仏像の御手にのっている「宝珠」に似ていることから“仏手柑=ぶしゅかん”と呼ばれるようになったとか。高知では美味しい魚に欠かせない存在で、地元の人からは「酢の王様」として愛されています。
※引用元:ぶしゅかんって何?|四万十ぶしゅかん
…とのこと。
グリーンカレーならではの「まろやか+からい=まろやからい」を成立させつつ、ぶしゅかんの爽やかさで後味すっきり。
エスニック料理に目がない女性陣よ!ご当地カレーやレトルトカレーに興味がなくても、これだけは食べてみてほしい!!
第2位【オリジナル】カレーランドのカレーですよ(700円)
カレーランドさんのオリジナルカレーが、これ。店頭と通販で年3,000箱は売れているというヒット商品。確かに店頭でも売れ筋ランキングTOP3には必ず入っていたような…
でも、ねえ。自社製品をランク上位に置くって、ねえ。
ちょっとした猜疑心があったし、お値段もやや高いし、存在は知っていながらも手を伸ばしにくかったのだ(ほんとすいません、すいません…!)。
悔しいが、めちゃくちゃうまい。
チーズの味が最高。あっさりテイストがお好みの方にはもしかしたら合わないかもしれないけど、このところのポテチショックでハートに打撃を食らっている方々は、もれなく、絶対、確実に、好き。特にピザポテ党員!ふかしたジャガイモにソースとしてかけてもおいしそうだな。
でもやっぱり悔しいので2位にしました。
第1位【鹿児島】枕崎咖哩(540円)
栄えある第1位は、鹿児島県枕崎市の名産品・かつおを使ったカレー。かつおの「腹皮」は「ハラミ」の地元での呼び方だそう。鰹節づくりには不要な部分だということで、地元で消費されることが多い部分らしい。
あっさりしていてお魚感たっぷり。これぞ、和。食感はルウというより”汁”という感じで、カレーというカテゴリで括るべきなのかはちょっと悩むところかも。
カレーにはこういう形もあるのか!という気づきが得られたこと、そしてなによりおいしかったことが、1位の理由です。
ご当地カレーとの出会いは「一期一会」
※手前の「高座豚カレー」は特別に別途試食させていただいたものなのでランキングからは除外しましたが、こちらもおいしかったです
「THE カレー」路線からは一線を画する「枕崎カレー」が、第1回やままGP第1位に!まさか「スリムクラブに最高得点をつけてしまった審査員の気分」で記事を締めくくることになろうとは…。でも十人十色ならぬ「十カレー十色」ぶりを身をもって知ることができて、おもしろかった。
この日は10人弱の参加者が一堂に会したのだが、そのうちの数名はご当地カレー通。食の記録をどのように管理していくかという話題も盛り上がっていた。ベーシックにパッケージをファイリングしている方もいれば、なんとエクセルで管理されている方も。
「行が増えてくると、データの容量がやたらと重くなってくるんですよ」
エクセルあるあるに一同頷く。
同じテーブルにいらしたご当地カレー通の方は、タブレット端末でパッケージ写真を管理。都道府県のタグをつけられており、各地域のカレーがズラリと画面上に並ぶさまは圧巻だった。
なかでも忘れられなかったのが、「奥多摩 山の恵みカレー」。
インド料理ユニット『マサラワーラー』さんのブログに感想が。鹿肉と山葵が入っているようなのだが、何が心に刺さったかって、ご当地カレー界のなかでも、群を抜いてパッケージデザインがおっちょこちょい なところだ。誰!?これ、OK出したの!?!?
Wordに画像を貼ることができてよろこんでいるおじいちゃんを見守るときの心地がする。文字を避けて画像を貼るには、この、ワンコのボタンを押すのか!そうか!おお、できた!!…といった具合です。
※この現象:ワード119/テキストを図に回り込ませる
タブレット端末には収録されていなかったけれど、このシリーズ、別バージョンもある模様。
大いなる山の恵みに感謝。このシリーズ、欲しいなあ。
話が脱線してしまったが、パッケージを保存しておくことはとても大事。なぜならご当地カレーは「突然姿を消すことが、ままある」からだ。自治体の繁忙状況やお財布事情、その他いろいろ、何の前触れもなく突如終売してしまうこともあるらしい。
いつまでも、あると思うな親とカレー。
会の最後に猪俣さんがおっしゃっていた「ご当地カレーは出会いが大切」というお話が沁みた。たまたま手にしたご当地カレー、どんなに気に入ったとしても、もう二度と会えない存在である可能性をも秘めているのだ。気になるものを見かけたら、とりあえず買うようにしてみようかな…。
さて、
今後も月に1度くらいの頻度で「ご当地カレー食べ比べの会」を開催されるとのこと。ご興味がある方はお早めに申込みを!
カレーランドさんのFacebookページは、毎日の「オーナーの昼ご飯」投稿も楽しいです。