言いたいことやまやまです

自意識過剰なアラサーOLの言いたくても言えないこといろいろ(食ネタ多めで)。

蕎麦屋さんが似合う大人になりたい ― 西八王子「坐忘」

 

JR中央線 西八王子駅から徒歩10分ほど。

住宅地の中に、趣きのある佇まいが印象的なお蕎麦屋さん「坐忘」がある。

 

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八王子に住む幼馴染からのお誘いを受けて訪問の機会を得たが、お世辞にも行きやすい場所とは言えない。

参考までに「食べログ」を見てみるとその平均評価は3.9!TOP5000入り!

おいしいもののためなら、みんなわざわざ足を運ぶのだなあ。

 

※ご参考)わざわざ系 過去記事

わざわざ行きたくなる!住宅街に佇む強力コシうどん屋さん「sugita」 - 言いたいことやまやまです

 

 

休日、正午から少し時間をずらして早めに伺ったものの、全20席の店内は満席。

駐車場も5台分あるとのことなので、遠方からいらしている方もいるのだろう。

 

 

■昼から贅沢に!アラカルトで豪華蕎麦ランチコース

 

注文したのは

 

  • 前菜三品
  • だし巻玉子
  • 揚げそばがき
  • 小海老と野菜の天ぷら
  • 粗挽き蕎麦

 

ランチセットはないので、アラカルト注文。

周囲を見てみると、蕎麦だけでなく、ちょっとした一品料理も一緒にご注文されている方が多かった。

せっかくの日曜日。

お酒と一品料理で楽しみ、〆に蕎麦、といきたい気持ちはよくわかる。

それにしても、「せっかくだから」マジックで随分注文してしまったものである。

すっかりフルコース状態になってしまったその道のりは以下の通り。

 

●前菜三品:1品目 ぎんなん豆腐

 

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これが、豆腐。

こんなやつあったよなあ、なんだっけなあ、と記憶を辿れば「花畑牧場のチーズ」だった。 

 

花畑牧場 カチョカヴァロ

花畑牧場 カチョカヴァロ

 

 

田中義剛さんのこと、TVチャンピオンのこと、大食い女王・赤坂さんのこと・・・想いを馳せそうになるが、今はどうでもよい。

この、カチョカヴァロ風の球体に向き合おう。

 

ひとくち大にしてからいただこうと箸を添えると、ものすごい弾力に跳ね返されて驚いてしまう。

純粋な「豆腐」というよりは「胡麻豆腐」の感触だ。

ぶるんぶるんの豆腐を箸でちぎり、口に入れればぎんなんの微かな香り。

 

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粗く刻まれたぎんなんの食感もちょうどいい。

牛乳も混ぜられているそうで、豆腐という2文字では表現しきれない、クリーミーな味。

1品目からこんなにときめかされるなんて!

 

●前菜三品:2品目 鯛と茸のみょうが味噌和え

 

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酢味噌かと思っていただいてみれば、独特の酸っぱさ、ツンとした感じがない。

「みょうが味噌」で和えられていることを教えてもらった。

 

おいしい。

ただ、その一言に尽きる。

 

あまりにもおいしかったので、極力みょうが味噌がお皿に残らないようにがんばって食べたが、どうしても僅かに残ってしまう。

 

残りの味噌、のちに現れる「粗挽き蕎麦」をつけて食べてみたい。

残りの味噌、人差し指でなぞってペロリとやりたい。

とにかく、ここに残っているのが勿体ない。

 

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※モザイク処理をしてでも、伝えたいこの想い

 

さすがにそんなことが言えるはずもなく、燃える思いを鎮めながら、お皿を引いていただくのであった。

 

 

●前菜三品:3品目 茄子といんげんの胡麻和え

 

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あっつあつでトロンとした食感の茄子、反対にシャキシャキ感の残る立派ないんげん。

そして上にフサッと乗せられているのは、刻まれた大葉。

黒胡麻は少し甘く、やさしい味がした。

大葉というと、しょっぱい方面の料理との相性が良いという印象を持っていたが、この、胡麻の甘さに茄子のとろみ、そこにふわっと香る大葉というコンボは痛烈だった。

口も鼻もおいしい!

 

ここまでで前菜三品は終了だが、これで1,000円というのはとてもお得。

ちょっとお酒でもいただいたら、だいぶいい気分である。

 

しかし、我々の蕎麦ランチコースはまだ始まったばかりだ。

 

だし巻玉子(980円)

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立派なだし巻玉子が登場。

 

甘い派閥としょっぱい派閥のどちらに所属しているのかが気になるところだったが、見事なまでの「中立派」であった。

中立派玉子にありがちなのが「なんの味もしないぞ問題」。

これが発生すると醤油なしでは食べられないという事態に陥るのだが、こちらのだし巻玉子は、その名の通り「だし」の風味が強く、そのまま楽しめる。

 

そしてなにより、あつあつ・ふわふわ!

やさしいだしの味とあいまって、しあわせが口の中いっぱいに広がっていく。

 

 

●揚げそばがき(1,200円)

 

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大好物のそばがき。

餅やすいとんをはじめとする、ねっちりもっちりジャンルには目がないが、とりわけそばがきのザラッとした食感が大好きだ。

この「好き」の気持ちは、おいそれといただける代物ではないという高級さの影響もあるだろう。

 

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だしつゆを吸ったそばがきの、ジャリジュワッっという食感。

揚げられているので、味のパンチ力が強くなっている気がする。

そのオイリーさを、辛めの大根おろしがピリッと引き締めてくれる。

お椀の中で繰り広げられる、バディ・ストーリー!

 

惜しむらくは、私の五感がガキンチョ仕様のため、「蕎麦粉」の香りを楽しめていないことである。

ひとつひとつの味を丁寧に楽しめるようになったら、人生はより豊かになるだろうなあ、とため息をつきたくなるが、とにかくおいしかったので、今日のところはそれで良しとする。

 

●小海老と野菜の天ぷら(900円)/粗挽き蕎麦(920円)

 

クライマックスが近づいていることを知らせてくれた天ぷら。

 

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ほどなくして、粗挽き蕎麦も到着。

 

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※テーブルが天国になった様子

 

まずは冷めないうちに、揚げたての天ぷらを、塩で。

好きなものは最後までとっておきたいので、海老はトリにする。

 

前座に選ばれたのはヤングコーンだったが、口に入れた途端、驚愕した。

 

「甘い・・・?」

 

ヤングコーン。

その見た目は、名前通りのかわいい「コーン坊や」。

しかし味の印象がない。

味付けなくして楽しめない、見た目先行型のイマイチな存在。

そう思っていたのに、イメージが一瞬にして覆ってしまった。

 

こいつ、甘いぞ!

 

コーンの甘みが、ザクザク、否、サクサクの衣とともに広がっていく。

うわあ、こんなヤングコーンがあるのか。

 

続くいんげん、茄子も最高においしい。

質のよい野菜が選ばれているのだろう。

そして揚げ方が絶妙なのだ。

お蕎麦屋さんの天ぷらって、なんでこうもおいしいのだろう。

 

●おいしさ功労賞

天ぷらのおいしさは、素材や揚げ方によるところが大きい。

しかし、我々の口に幸福をもたらしてくれた功労賞は、ぜひ「塩」に差し上げたい。

しょっぱいだけじゃなく、甘いのだ。

旨みがしっかり含まれているとでも言おうか。

 

そんなおいしい塩で、小海老をいただいてみる。

 

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※ぷりぷりの小海老がぎっしり!

 

・・・おいしさ、2乗・・・!

しあわせと小海老を噛みしめる。

 

そしてお蕎麦をズズズ。

 

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麺は細く、つるっといただける。

「粗挽き」というくらいなので蕎麦の香りがプンプン漂うのかと思っていたが、やはり悲しいかな我が五感。

蕎麦の香りをいまひとつキャッチできない。

同行者のなかには「せいろ」を注文した人もいたので食べ比べてみるが、違いがよくわからない。

 

最近の中でいちばん落ち込んだ瞬間である。

同行者一同は違いを察したようで、豊かな人生の1ページが羨ましかった。

 

そんな私であっても、おいしいことはわかる。

だからこそ、「withめんつゆ」だけで楽しい時間を終えてしまうのが惜しい。

もっとなにかあるはず、ということで思い立ったのが、

 

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「with塩」。

小海老のかき揚げと塩、というベストカップルに略奪愛を挑む蕎麦。

さあ、いただきます!

 

 

 

 

小海老と塩も、

蕎麦と塩も、

うまいじゃないか・・・。

 

略奪愛は一夫多妻制という円満な結果で落ち着いた。

 

とにかくこの塩、すごい。

しょっぱいだけだったら、蕎麦をおいしくいただけるはずがない。

あまりにもおいしいので、

 

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蕎麦に、塩とわさび。

めんつゆでいただくのも良いが、このさわやかな組み合わせが、この日の一等賞だった。

 

塩のおいしさに感動するあまり、最後にいただいた蕎麦湯も、めんつゆの力に頼らず、ただ塩だけをぱらぱらとふりかけていただいた。

蕎麦自体もおいしいのだから、これで満足できないわけがない。

当然ながら、大満足の味。最高の〆。

聞けば挽きたての天然塩とのことで、「挽きたて」であることがポイントのようだった。

 

 

■胃の満足だけが「食」ではない

 

これだけいただけば、さすがに満足。

どのお料理からも丁寧さが伝わってきて、口の中が最初から最後までしあわせだった。

しかし、それなりにお値段が張るのは事実である。

近所に「坐忘」と「俺のそば(※下記リンク参照)」があったら、きっと足しげく通うのは後者なのだろうなあ・・・。

 

大根おろしで生まれ変わる!?私の「俺のそば」 - 言いたいことやまやまです

 

 

そんなことを考えながらゆっくりしていると、食後のデザートとして、サービスの「そばゼリー」が振る舞われた。

 

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ほんのりと甘く、食後にぴったり。

涼しげなガラスのうつわに入ったゼリーをいただきながら、「お皿もお椀も、うつわがどれも素敵だった」という話題に。

 

思い返してみれば、

 

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湯呑みや、

 

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蕎麦猪口や、

 

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箸袋に至るまで、

 

確かに、どれも素敵。

無意識のうちに「気持ちの良いお店だな」とは感じていたものの、その理由のひとつが「うつわ」にあったことを、それまで明確に気づけていなかった。

胃の満足ばかり追いかけすぎて、いろんなものを見落としているんだろうな。

「蕎麦の香りがわからない事件」に続くショックである。

 

しかし、そんなことを思ってもなお、「安く、おいしく、満腹になれるか否か」を尺度に店選びをしてしまう悲しき我が性。

歳を重ねていくと、今回の「うつわ」のように、満腹感ではない要素で満足を得られるようになっていくのだろうか。

 

大きくなってからわかる、量だけじゃない「食事」のありがたみ。

「大きくなってわかる親のありがたみ」のように、じわじわと、知らないうちに、アタマというより全身でわかっていくものなのかもしれない。

 

最後にそば茶をいただいて、外に出る。

店構えを眺めながら、私はまだまだ、背伸びなくして楽しめないお店だな、と思った。

時間をおいて再訪したとき、何か気持ちが変わっていたら、それは成長の証だ。

いつか「坐忘」さんが似合う大人になりたいものである。

 

※お店情報

 

外観、内観もとても素敵。

http://www.mmjp.or.jp/zabo/news.html

 

 

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