東銀座駅は喫茶アメリカンのすぐ近く、「パリの大衆食堂」をコンセプトに2011年にオープンした人気店「パリのワイン食堂」がある。
銀座を中心にフレンチレストランやスペインバルなどを展開する「オザミワールド」の店舗である。銀座勤めの食道楽で「オザミ」の名を知らない者はいないのではないか、というくらい、どのお店も盛況。夜は少々値が張るものの、平日のランチは1,000円前後で楽しめるとあって混雑する。
※参考記事:フレンチ界の雄、オザミワールドの丸山宏人氏が12月1日、東銀座に“パリの大衆食堂”をそのままにイメージした「パリのワイン食堂」をオープン! - フードスタジアム フードスタジアム
13時ごろに前を通ったら空いていたので、初訪問を果たしてきた。
携帯プラン的なメニューに当惑
Wordで作成されているムードのランチメニュー。
基本プランは、
- オードブル+メイン+プチコーヒー
- メイン+デザート+プチコーヒー
のどちらかで、パンまたはライス(大盛り+50円)がついて1,000円……なのだが、オプションメニューが多いので少々混乱する。
まず、オードブルもデザートも両方食べたいという場合は1,250円。これはわかる。簡単だ。
オードブルは5種類のなかから1つ選ぶのだが、「ムール貝の白ワイン蒸し」をご所望の場合は+300円。1種類だけスペシャルメニューがあるということね。これもわかる。
問題はメインディッシュである。6種類から1つ選ぶように見えるが、ランチ1,000円がギリギリの貧民には辛い選択肢となっており、6種類中3種は+200円~300円のスペシャルメニューなのだ。
これが3種ずつ、上半分がベーシックメニューで下半分がオプションメニューという風にレイアウトされていたら良いのだが、追加料金のかからないベーシックメニュー2品(パエリア、豚のロースト)があり、その下に+200円のローストビーフを挟んでからの、ベーシックメニューのハンバーグ、最下部2品は+300円の牛ハラミステーキと+200円の豚肩ロースという並び順なのだ。
ハンバーグがオプションメニューの中に埋もれてしまっていて、パッと見では見つけづらい。お肉料理所望の慌てんぼうのお客さんであれば、ハンバーグの存在に気付かず、いちばん上のローストビーフを頼んでしまう可能性もあるのではなかろうか。
さらにその下、デザートは「どちらかお選び下さい」としながらも、明確にメニュー名が書かれ、かつ、トゲトゲ吹き出しで「おすすめ!」と強調されているのは+200円が必要となる「桃のコンポート」のみで、「どちらか」の片割れはどこ行ったんだと目を凝らしてみれば、いちばん下に「Gateau」と書かれているのみです、バトーさーーーーん!(タチコマ)
さらにはスタッフの方がテーブルまで来て
「メニューには載っていませんがトリュフを300円でご用意できます」
とのこと。すぐ近くの歌舞伎座帰りのマダムなら「じゃあそれお願い」と言うのだろう。しかし私は!このお店でも、携帯屋さんでも、提案されたものに安易に「じゃあそれ」とは言わないんだからな!!(正しくは資金力不足により”言えない”のですが)
無駄に反抗期マインドが掻きたてられてしまい、また自分が嫌になる。善き人間になるには最低3度は転生が必要だな……。
でも、もうちょっと見やすくしていただけたらうれしいなあと思います。オプションプランを頼んでほしい感が滲み出ている気がしてしまう。考えすぎなのでしょうけれど。
でもおいしいから結果オーライ
私がいただいたのはもちろんベーシックプラン。デザートはいらないので「オードブル+メイン+プチコーヒー」を選んだ。
オードブルは「ロレーヌ風キッシュ」をチョイス。
なにさ、なにさ、貧民はお嫌いですか!プンプン!みたいな気持ちになりながらお願いしたベーシックプランであったが、
なんだこのキッシュのふわとろ感は…!
キッシュといえば「ホウレンソウとベーコンが入ったコツコツになった玉子焼き(見た目はケーキ風)」というイメージだったのに、それが見事に覆された一品。半熟とろりの玉子のなかに、細かく刻まれたベーコンが見え隠れ。
おいしさの衝撃でもはや「おいしい」という表現が使えず、「なに?このキッシュなに?」と同行してくださった方に尋ねる次第。だからといって「ひとくちあげる」はやらないぞ!食にはがめついぞ!俺のプレートは俺のもの!
メインディッシュの「カナダ産三元豚のロースト」も見た目からしておいしさ確定だ。引き立て役であるはずのポテトのまばゆい黄色は主役級の輝き。でもそれを上回る煌めきを魅せるのが、お風呂上りのようにほんのり桃色づいた豚ローストである。見た目でライスいける。
ところでこの際なので「三元豚」について少しググってみた。バカなので「三元」を地名だと思っていたからだ。カナダ産なのに三元とは何事かと。
三元豚を簡単に表すと、3種の豚をかけ合わせて生産した豚のこと。(中略)
数ある豚肉の中で最も多く流通しているものが「三元豚」なのです。
※引用元:今日から使える豚肉の豆知識「三元豚」って、なんだ!? | クックパッドニュース
ブランド豚の名称だと思っていたので衝撃だった。いまのいままで知りませんでした、お恥ずかしい限りです。おいしいからこそ数多く流通しているということで…。
分厚く切られた三元豚ローストは少し脂身も添えられていて、お肉のあっさりと脂を口の中で合体させた幸せはたまらないものだった。黄金色のポテトも甘い!
食後はコーヒーをお願いしていたのが、エスプレッソカップの1.5倍くらいの小さめカップに注がれていて、ここにスジャータを投入してしまうと「ほぼスジャータ」になってしまうなあという感じだった(でもたしかミルクはスジャータじゃなかったはず…ブラックで飲んだので失念しました、すみません!)。確かにメニューには「プチコーヒー」って書いてあったなあ。人気店ゆえの、長居させず回転を増やす工夫なのだろうか。
お店情報
少し悪態をついてしまったけれど、本当においしかった!
予算と時間に余裕があったら、ランチコースで楽しんだ方がお得かもしれない。通常のランチだと予約不可だが、3000円のプリフィックスコース(平日)、土日祝限定ランチ(1500円、2800円)は予約可能とのこと。
予約はこちらからどうぞ!
(ホットペッパーの該当ページにジャンプし、ネット予約できます)
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