言いたいことやまやまです

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きることにした1985年生まれ。金儲け臭ゼロのブログで生きざまを書き綴っています。お金はいつでもほしい。

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浅草「捕鯨船」で、くじら料理と「芸」を磨いた人たちのパワーをもらう

社会人経験を重ね、後輩ができ、兄貴分だった先輩がいなくなると、孤独感に苛まれることがある。「うまくいかないなあ」としょげる自分に「ガンバレ!」と両肩を叩いてくれる存在を求めてしまう。家族とも、友人とも違うぬくもり。

こういう気分のときは、テレビを観ても本を読んでもシャワーを浴びても、絶えず悩みごとがリフレインしてしまう。だから強制的に、悩みごとから離れる。人から発されるエネルギーをもらう。そのためには、とにかく人と接するといい。外食して元気をつけよう。

ファストフードのバイトさんじゃ、だめ。マニュアルのない、生の会話ができる場所に行くのだ。たとえば、カウンター席のある居酒屋とか。

下町浅草へ

今日ご紹介する、浅草の老舗居酒屋「捕鯨船」なんて、とてもいい。お店があるのは浅草公会堂のすぐ近く、人情ムード漂う浅草六区通り。

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元浅草芸人だった店主・河野通夫さんのお店としても有名な、鯨料理専門の居酒屋だ。芸人さん、漫画家さんなど、エンタメ業界の著名人を中心に、店内外にはびっしりとサインが書かれている。

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先にご紹介した欽ちゃんの行灯。六区通りの名物になっているこれらの行灯も、店主の河野さんの企画なのだという。

捕鯨船・出港!くじら尽くしの旅へ

こちらでいただけるメニューを、一部ご紹介。

くじらの刺身(赤肉) 1,400円

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鯨肉は、赤身の牛肉や馬肉などと比較しても、脂質とコレステロールの含有量が少ない。刺身もとてもあっさりしている。

くじらのベーコン 1,600円

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たまに居酒屋で見かける、ベーコン。刺身と比べるとまったりとしている。

くじらの肝臓 1,300円

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まったり、といえばこちら。いまや食べられる場がなくなってしまった「レバ刺し」を思わせる風味。「鯨肉といえば給食」というイメージをお持ちの方は眉をひそめるかもしれないが、まったく匂わない。私がまともに鯨肉を食べたのはこれが初めてだったから、「鯨はくさい」だなんて、本当かしらと疑ってしまったほど。

くじらの睾丸 1,300円

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珍味といえばこちら。血走ったその姿から、くじらのエネルギーがぎゅっと詰まっていることがわかる。臆せず口の中に放り込めば、なんということはない。なにしろ、おいしいのだから。
くじらの肝臓が「レバ刺し」であるならば、こちらは「”あっさりした”レバ刺し」。ごま油をしっかり纏わせてからいただくと、たまらなかった。

くじらのさえずり(舌) 1,400円

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牛タンといえばあっさりしたイメージがあるけれど、こちらはクリーミーな印象。それでいて舌という部位に共通する、しっかりした噛み応えも楽しめる。いろいろいただいたけれど、さえずりがいちばん好みだった。

竜田揚げ 1,400円

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くじらの野菜炒め 1,600円

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想定外のフォルム。野菜炒めにケチャップというのが、非常に家庭的でほっこりする。

くじら入り焼きそば 750円

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ソースの味によりかかっていない、あっさりした味付けにびっくり。麺はかためで、とっても好み。お祭りの縁日の、ぶよぶよになったソース焼きそばも好きですけれどね。

牛煮込み 630円

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豆腐大きめ、おいしい。珍しい「鯨肉不使用」メニュー。

こんぶ汁 500円

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こちらにも鯨肉の姿なし。とろろ昆布がたっぷり乗った、やさしいお吸い物。

 

捕鯨に厳しい視線が向けられるいま、鯨肉は貴重なものになってしまった。ゆえに、全体的に高めの価格設定。

一方、ドリンクは500~600円ほど。私は550円のハイボールをひたすらいただいていたが、グラスになみなみと注いでくれるのがいい。

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※こぼれそうだったので、ちょっと飲んだ

ハイボール1~2杯と、鯨肉いずれか1種、そして焼きそばで〆れば、3,000円ちょっとで楽しめる。

鯨(げい)で「芸」を磨いた人たちのパワーをもらう

カウンター席中心の店内だが、この日は5名での訪問だったため、奥の座敷席へ。入るやいなや、見渡す限りのサイン・サイン・サイン!

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知っている人、知らない人、いろんな人のサインが溢れている。その並びに規則性は一切感じられなかったので、大物芸人と駆け出し芸人のサインが肩を並べているような場所もあるのだろう。

店主の河野さん(私が訪問した日はいらっしゃいませんでしたが)は、ビートたけしさんとの親交が深い。あるバラエティ番組で、たけしさんの逸話が紹介されていたそうだ。

今でも時々「捕鯨船」を訪れると、たけしは「若手芸人たちに飲ませてやってくれ」とそれなりのお金を大将に預けていくという。
たけしは大金を置いていき、その時に店にいたお客さんの分も全部払っていくそうだ。すると、大将が封筒を取り出した。“たけし預かり金”と書かれたその封筒には、飲み代に使った芸人たちの名前がメモされている。
「ねづっち」「米粒写経・居島一平」「ナイツ塙 10000」「ガンビーノ小林 17000」といったメモがあり、「ガンビーノなんて1万7000円もつかってる!」と大将。たけしも「あいつ、俺の弟子なのにふざけやがって」と苦笑していた。

※引用元:【エンタがビタミン♪】たけしが浅草の居酒屋でロケ。店長が明かす“預かり金”の封筒に反響。「粋ってこのこと!」 | Techinsight|海外セレブ、国内エンタメのオンリーワンをお届けするニュースサイト


芸人さんたちが「捕鯨船」に集まる理由もまた、人情に溢れていた。

座敷席からふと隣のカウンター席に視線を送れば、これまたサインがびっしりと埋め尽くされた壁を背景に、老若男女が酒を楽しんでいる。お店の皆さんの、張り切りすぎていない、それでいて温かい接客もあいまって、お客さんみんなの顔がどこか柔らかい。

誰かに励ましてほしい、そんな気持ちの時にふらっとひとりで立ち寄ったら、元気が出てきそう。お店の皆さんに、「鯨で芸を磨いた」皆さんに、そして低カロリー・低コレステロールの鯨肉に、力をもらえるに違いない。