言いたいことやまやまです

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きることにした1985年生まれ。金儲け臭ゼロのブログで生きざまを書き綴っています。お金はいつでもほしい。

やままあき

Author:やまま (id:yamama48)

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きている1985年生まれ。我慢しない人生を送ろう!
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築地「Jige」で鮪のかま焼にむしゃぶりつく

海外からのお客様に振る舞うと喜ばれる料理のひとつに「寿司」がある。
その一方で、がっかりされるのが「魚のかま」だという話を聞いた。
「魚の目玉が気持ち悪い」「グロテスク」といったことが理由のようだ。

 私はブロンド美人ではないので、魚の「かま」や「あら」が大好物である。さんまのハラワタも大好き。

いや、とにかく焼き魚は全面的に好きなのだけれど、とりわけ「かま」にはスペシャル感がある。
目玉はもちろん、その少し上にある頭頂部っぽいところとか、エラ付近とか・・・引き締まったおいしい身を掘り当てたときのうれしさといったら、ない。
「仕事でいいことがあった」の5倍はうれしい。

かまを食べることは宝探しでもあるのだ。
お箸でコツコツ、ちまちまとダウジングしながら獲物を探す。刺身や寿司にはない、わくわく感。
努力が必ず報われるのだ。海外からのお客様に嫌な顔をされずとも、日本的な食べ物だなあと思う(日本の外に出たことがほぼないので、けっこう偏見)。

大人になって、居酒屋に行って魚のかま焼をいただく機会が増えた。
でも、よほどのことがない限り「テーブルでひとつ」の注文だ。
日本人の箸先は「遠慮」という装備をまとっている。
そんな箸でつつきあえば、食べにくい目玉のウラや、細かな身が皿に残されていくことになる。

ああ、もったいない!

つい、「まだあそこ食べられるのに」と思いながら皿を見てしまう。
一緒にいるメンバーの誰かも、そう思っているのかもしれない。
「もったいないね」と私がひと言発したら、共鳴してくれるかもしれない。
でも、言えない。
そして、「お下げしまあす」という声が天から響き、かまは召されていくのだ。

「ほかのツマミはいらないから、かまをひとり占めさせてください!」
本当はそう言いたい。いつも。

「かまをひとり占め」その夢、叶います

「かま焼きをひとり占めしたい!」という夢を叶えてくれるお店がある。
そりゃお金を出せば実現は容易いだろうが、たった1000円で、と言ったらどうだろうか?

日比谷線築地駅近くにある、本マグロ・備長炭火焼のお店「Jige」がすごいのだ。
孫悟空一行に「天竺ここだよ」と教えてあげたいくらい。

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一見するとおしゃれな居酒屋だが、ランチタイムは全メニュー1000円。
しかもそのラインナップがすごい。

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「ありがとう・・・」
目にうっすらと涙をためてしまう。

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※メニュー裏面

口と胃をかま焼きで満たしたいなら、「鮪かま炭火焼」一択!

料理を待つ間にも、カウンター席の目の前にある焼き場では、休みなく鮪のかまが網で焼かれている。
デカイ。石のようだ。
上から別の網でぎゅっと押さえ、網と網でかまをサンドイッチにして、上下180度、ぐるり。
これを何回か繰り返したのちに眼前に現れるのが、これだ。

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なんだよ、これ・・・ひとり占めしていいだなんて・・・頬をつねってたたいて、痛い!事実だ!ノンフィクションだ!
生命の恵みに感謝せずにはいられない。
手を合わせて「いただきます」。

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惜しげなく置かれた、大ボリュームのかま焼き2つ。
大根おろしもたっぷり添えられているのがうれしい。
早くほじくりたくて、箸を持つ手がウズウズする。

・・・まずは落ち着こう。
食事は野菜からいただくと脂肪の吸収が云々だと聞くではないか。

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いや、これはプロローグに持ってくるべき役者ではないか。
口の中に清涼感をもたらす存在として、もう少し温存しておきたい。

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まずは小鉢の冷奴をいただき、心を落ち着かせて、

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もうひとつの小鉢をつついてみる。
コンビーフのような食感のこれは・・・きっと鮪だ、きっとそうだ。

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お味噌汁もお代わり自由だというのだからありがたい。

準備運動もできたところで、いざ、かま討伐。
うわあ、どこから手をつけよう。なんて幸せな悩み。

ええい、と鮪の肉に箸を沈め、おいしさが詰まったそれを上空に引きずり出す。
やっといただくファーストバイト・オブ・カマは、何もかけずにいただきたい。
よく筋肉を動かしているからこそのプリプリとした弾力。
口に広がる炭火焼ゆえの香ばしさ。
・・・おいしいなあ。旨いなあ。
目の前では次のお客さんのために、かまが網の上で焼かれている。
しっかりと脂が落ちているんだろうな。魚くさい、ネバッとした感じがない。

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ほら、こうやってボロンとかたまりが取れる。この感覚がたまらない。
掘り当てた!うれしい!うまい!

無心、無心、とにかく無心。
思い返せばあのとき、私は「ゾーン」に入っていたに違いない。
お寺で坐禅を組んで、気づけば眠っていた私が、鮪のかまのおかげで「無の境地」に至ったのだ!

何もつけずにかたまり1つ分をいただいたところで、ふと我に返り、白米で気持ちを一旦リセット。
つい食べ過ぎてしまいそうなので、オーダー時に「ごはん3分の1で」とお願いしたのは正しかったのか間違っていたのか。
 

さて、ラウンド2。
次は大根おろしと一緒にいただいてみよう。
予めかかっている黒い物は、醤油ではなく、少し甘い特製たれ。
え、醤油じゃないの?なんて思ってしまうが、鮪と一緒にいただけば幸せいっぱい。
炭火焼された鮪の香ばしさを、ほのかな甘みとしょっぱさが包む。化学反応?いや、魚学反応?

でも、敢えて鮪だけ先に味わって、飲み込んで、そのあとに大根おろしだけをいただき、鮪の余韻を追いかける食べ方も好き。

さらに言うと、大根おろしごはんも好き。

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醤油でもおいしいけれど、この特製タレと大根おろしとごはんの相性たるや、抜群!
特製タレの名仲人ぶりには頭が下がる。

やっぱりごはん3分の1杯は、間違いだったな・・・なんて後悔していたら、隣の席のおじさんが、席を立った。
え、まだいっぱい残ってるよ!そこの骨の裏、身がボロンと取れるのに!
反対側の席の(おじさん、というにはちょっとお若かったので、)準おじさんもまた、ごちそうをたくさん残す勢いだ。

鮪が泣いてるよ!

・・・いや、人の鮪より己の鮪。向き合おう。

粛々と鮪を口に運んでいく。また、ゾーンに入った気がする。
おいしくて幸せで、ほかのことを考える余地なんてない。
いまなら、長谷部氏に教わらずとも、心が整ってる。

黙々と、もぐもぐと、鮪のかまという砦を崩していく。
たったひとりで崩せる贅沢な時間。

残りが僅かになっていくにつれ、切なさがこみあげてきた。
この幸福な時間を永遠のものにしたい。
でも諸行無常。ゆえに嗚呼、完食。

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ごちそうさまでしたというより「ありがとうございました」という気持ちだ。

 

お店情報

r.gnavi.co.jp

Jigeさんは日比谷線築地駅から1分ほど。
隣にある姉妹店「Jigeバラクーダ」さんは提供メニューが異なるのでご注意を(そちらもおいしそう)。

11時半~14時がランチタイム。
11時40分ごろに入店したものの、私で既に12人目だった。
正午ごろにはずいぶん席が埋まってしまっていたので、早めに入店したいところだ。

あれだけの大きさのかまを焼くので、タイミングが合わないと少々時間がかかる。
午後のスケジュールにゆとりがある日がおすすめだ。

この日は「鶏炭火焼丼と鮪かま(小)セット」が12時半を待たずして完売してしまっていた。
小、といえども、鮪かまのかたまりひとつ分。十分なボリュームだ。

夜は鮪の中落ちが目玉メニュー。
天然の鮪中落ちを蛤の貝で掬っていただくスタイル。ただし要予約。

外装、内装ともにお洒落で、定食屋風ではないので、女性もひとりで入りやすいのでは(ただしそれなりに食が太くないとつらいかも)。
お昼の接客スタイルは、無駄をそぎ落としたキビキビしたものだったけれど、夜はどうなんだろう。

中落ち、食べたい。
スイカを食べるとき、ついつい皮の方まで食べてしまうような人たちと、鮪が喜んでくれるくらいきれいに食べに行きたいなあ。

youtu.be

※カーマは気まぐれ