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言いたいことやまやまです

自意識過剰な三十路OLの言いたくても言えないこといろいろ(食ネタ多めで)。

夜の銀座、大盛り魚フライ(800円)に元気をもらう

食事処‐銀座・有楽町・新橋・浜松町 食事処

 

疲れたときは、揚げ物で気分をアゲることが多い。
胃が、ガツンとした食べ物を強く求めているのがわかるのだ。
「カツ」などで縁起担ぎコンボ(気分をアゲて、勝負にカツ)が決められるのもまた魅力である。

先日の夜もふとそんな衝動にかられ、銀座にある大好きなお店「とんかつ不二」にお邪魔することにした。

 


※お昼の様子はこちらからどうぞ(今年1月訪問)

yamama48.hatenablog.com

 

 

■フライの夢は夜ひらく(ふじ、だから・・・)


久々であることに加え、夜の訪問は初めて。
交詢会ビルの近く、ひっそり佇む小さな看板に沿って路地に入っていく。

 

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あたりには「これぞ銀座」と思わせるクラブがめいっぱいで、「不二」の外観も昼とは趣が異なるように見えてくる。

 

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※趣が異なるのは、とんかつが50円値上がりしているからかも・・・(1000円に!)

 

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※ご参考までに、1月の外観


引き戸に手をかけ、こんばんはー、とお店に入れば先客はなし。
AMラジオが流れるカウンターのなかで、ご主人と奥さんがなにやら話をしているところだった。

「どうぞ、どうぞ」

満面の笑みで迎え入れてくれる奥さん。
ご主人はスッと奥の厨房へと入っていってしまった。
色白で、頭にきゅっと締めたバンダナ姿がかっこいいのだ。

カウンターの奥の方に腰かけて、メニューもろくに見ずに早速オーダー。
「不二」に来たからには、やはり!

 

「魚フライください、おかず大盛りで」

 

おかず大盛りは外せない。
たった100円を追加するだけで、フライをひとつ多く盛ってもらえるのだ。


そして以前訪問した時とは異なり、私はもはや糖質制限中の身。
フライの衣はどうなんだよというツッコミには耳を塞ぎ、

 

「ごはんは要らないので、キャベツを大盛りにしていただけますか」

 

はあい、と奥さん。
ご主人にオーダーを通し、カウンターのなかからお茶を持ってきてくれた。

「じゃ、待っててね」

そう言いながらスッとカウンターにおいてくれた読売新聞夕刊。

 

 

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クッシャクシャである。

 

お茶をすすれば、絶妙な温さ
そりゃ、お茶は熱いほうが好きだ。好きだが、今はこの温さが愛おしい。

とりあえず夕刊を手に取り、開き、ドローンは気を付けて使うようにしようと思い、元の位置に戻した。

程よい音量のラジオに乗せて、フライを揚げる音が聞こえはじめる。
うーん、待ち遠しい。

 

 

■メニュー、変わる

 

そういえば。

 

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メニュー表は6月らしい紫陽花色に。


以前はまばゆい橙色だったのだが・・・と思ってじっくり見れば、価格が全体的に値上がりしていた。
銀座とは思えないお手頃価格も魅力のひとつだったが、このご時世、仕方あるまい。

 

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※魚フライは橙時代から200円UPの900円に。それでも、立地を考えれば安い

 


しかし、変化は価格だけではないようである。

 

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ご主人、巻物テクニックに目覚めたのだろうか。
いろいろな巻物フライが新たに加わっている。

そしてどうしても気になってたまらないのが・・・

 

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不二特上盛合せ(2000円)!

 

「不二」内でぶっちぎりの高級メニューだ。
「特上」かつ「盛合せ」。
その内訳が気になって仕方ない。
食材の質ゆえの2000円なのか、たっぷりボリュームゆえの2000円なのか・・・。

 

せっかくお店を独り占めしているにもかかわらず、こんな小さなことが聞けない、マイ・チキン・ハート。

いや!ちがうのだ!想像することが楽しいのだ!そしてのちに答え合わせをする瞬間が喜びなのである!(2割は本心です)

 

 

■てんこ盛り!魚フライ

 

さて、本日お願いした「魚フライ・おかず大盛り・キャベツ大盛り・ごはんなし」のひと皿がこちら。

 

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フライ!フライ!魚フライ!

 

鮭、鱈、そしてキスが2つずつと、鯵が1つというボリューム満点ぶり。
眼前の揚げ物の山に、自ずと生きる気力が湧いてくる。

夜にお邪魔したにもかかわらず、お酒はおろかソフトドリンクもお願いしなかったケチな私。
それでも、氷の入った麦茶が添えられているのは、奥さんのご厚意だ。

 

ではありがたく、まずはお皿に添えられたマヨネーズとともにいただきます。

 

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脂がたっぷりのった鮭のフライ。

外側はサクサク、中は脂がとろり。パンチ力抜群だ。

 

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続いては鱈。
マヨネーズもいいけれど、「不二」といえばやっぱりソース!
甘酸っぱいソースは、キャベツともフライとも相性抜群。
ソースの池を作って、フライをちょこちょこつけながら。あー、ウマイ。

 

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※ちょこちょこどころか、おいしすぎて、どっぷり・・・(ソースの糖質は知らないことにします)

 

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※ソースと混ぜてクタッとしたキャベツを乗せて食べるのも、最高においしい!


迫力満点の盛りだったのに、気が付けば残量は折り返し地点。
興奮していた気持ちは徐々に冷静になり、「不二でフライを食べる」終演時間の到来に寂しさを覚えてしまう。

 

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※このあたりで泣きそうになる

 

 

■不二のフライに寄り添われ

 

私が魚フライに夢中になっている間、ちらほらとお客さんの姿が増え始めた。

50代と思しきスーツの2人組。
仕事中と思われる、作業着姿の3人組。

おもしろいことに、誰もお酒を頼まない。
純粋に揚げ物を楽しむのが「不二流」なのだろうか。

 

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※なにせ、お酒は3本までだし


作業着の皆さんは初めての訪問だった様子。

「ヒレカツと不二特上盛合せ!

 

おお、まさか今日のうちに特上盛合せの姿を拝むチャンスが来ようとは。
威勢よく注文する男性に、奥さんは「えっ!?特上盛合せ!?」と大変驚いた様子。
それでは量が多すぎるということで、ほかのメニューをおすすめしているようだった。

 

「え、特上盛合せってどんな感じなんですか」

「あるもの全部乗ってます」


まじで!?

とんかつにエビフライにイカフライに魚フライに、ニューカマーの巻物フライ・・・
しまった、予想以上のめくるめくワンダーランドだ。
これは次回必ずやお願いしなければ・・・あ、でも、揚げるの大変そうだから事前に電話でお願いしておいた方がいいかな、ウーン・・・
幸せな想像で胸がいっぱいになる一方で、例の3人組は通常の「盛合せ」を選んだようだ。

 

「盛合せ(通常はカツとエビ、2種の組み合わせ)って、他の揚げ物に変えられるんですか?」
「ええ、3種類の盛合せにもできますよ」
「・・・なんでもできるんですね!」

 

そう、なんでもできる。

おかず大盛りもできるし、ごはんは要らないけれどキャベツを増やしてほしいなんていう面倒くさいお願いにも快く応えてくれた。

老舗、とくに定食屋や蕎麦屋、居酒屋などは、それぞれに独自のルールが時間の積み重なりとともに築き上げられていて、お客さんがそこに合わせるような、そんなイメージがあった。


でも、「不二」はお客さんに寄り添ってくれる。

過剰にもてなしているわけではない。

要所、要所でグッと心が捉えられる、そんなおもてなし。


本当に、居心地がいいなあ。

つい、長居したくなってしまう。

 

後ろ髪を引かれる心地でお会計をお願いすると、なんと800円だった。
魚フライは900円だったはず。キャベツを大盛りにしたのに、なぜ。

 

伝票を見てみれば、

 

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小さく「一品」の文字が書き添えられている。
そういえば・・・いつもいただけるはずのお味噌汁、おしんこが出てこないことを疑問に感じていたのだ。
なるほど、ごはんなしということで「一品料理としての魚フライ」にしてくださったということか。
定食だと900円のところ、一品料理だと200円引き。

そこにおかず大盛り100円が加わって、800円。

なんて良心的な価格だろう!

 

お支払いを済ませ、奥さんの「ありがとうございました」の声に見送られる。

精一杯の「ごちそうさまでした、おいしかったです」に、お礼の気持ちを込めた。

 

 

帰り道、胸がじわりと熱くなっているのを感じた。

ちょうどいろいろ悩んでいたこともあってか、ともすれば少し涙が出そうだった。

家族でもない、友人でもない、同僚でも上司でもない、何のつながりもない銀座のとんかつ屋さん。

そんな「通りすがりの温かさ」が無性にうれしくて、ほっとしたのだ。

魚フライを通じて、そっと活力を注いでくれた気がする。

 

店名「不二」を辞書でひけば、「2つとないこと、無二」の意味があるという。

本当に、そのとおりだ。

 

揚げ物で気分をアゲたいとき、また、駆けこませてもらおう。

そのときはやっぱり・・・不二特上盛合せで!

 

 

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