言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

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駅直結で豪華なのにお手頃価格な「アジアホテル」でセキュリティBOXと対峙した時間のことは忘れない【タイ旅行記2017】

初のタイ旅行を支えてくれたのは、宿泊先の「アジアホテル」の利便性の高さだった。バンコクスカイトレイン(BTS)ラチャテーウィー駅直結!

目次

 

BTSは便利だけど自動改札に要注意

ショッピングセンターが密集するサイアム駅までたった1駅。サイアム以外にも、バンコクの要所にはたいがいこの電車で行けてしまう。

惜しむらくは、自動改札機の扉の閉まる速さと勢いだろう。ガチンコで「タッチ&ゴー」しないと、扉に挟まることになる。

このことは、今回の旅をコーディネートしてくださったグルメの師匠から常に注意を受けてきた。「本当に挟まりますよ、気を抜いてはいけませんよ」。初通過の際は小走りで駆け抜けたほどである。

しかし慣れとは怖いもので、数回利用しているうちに小走りの緊張感を失ってしまったのだ。大きなショッピングバッグを持ってモタモタと余裕顔で通っていたら本当に挟まった。しかも恥骨に激突。静かに悶えることしかできなかった。

センサーとかないんかいな!男の子ならネタになるのに、女の恥骨じゃ面白くもなんともないなあ!!いいなあ男の子!!!同じ股間なのに!!!

「アジアホテル」はお手頃価格で便利なのに豪華

私が滞在したのは2017年9月下旬のことだが、1階ロビーにはプミポン国王の大きな写真が飾られていた。

ホテル館内にはプール、トレーニングジム、バー、ベトナム料理店やシュラスコ店などがあり、ホテルから一歩も出ずとも楽しめてしまいそう。

ツインルームを独り占め。朝食なしのプランにしたとはいえ、4泊で2万円ちょっととは、安い。この予算じゃ、APAホテルだったら2泊しかできないだろうなあ。

SAMのトレーニングを受けられるくらい、広い部屋。

年季が入っているとはいえきれいで広々、使いやすい。注意点としてはアメニティにリンスがないこと。すぐ近くにセブンイレブンがあり、パンテーンあたりが激安価格で売られているので事前に入手しておくといいだろう。ドラッグストア系グッズは現地で買った方が絶対に得。

残念なのはインターネット環境。館内にWi-Fiが通っているというものの、部屋によって入りやすい・入りにくいの差が大きく出てしまうようだ。私が宿泊した部屋は微々たる電波しかキャッチできず、テザリングしたほうが早いくらいだった。

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でも大丈夫、1階ロビー横のラウンジに入ればWi-Fi使いたい放題。旅行中の仕事の際に世話になった。猛烈に寒いので防寒着を持ち込むべし。

それにしても、なんでこのポスターの「ハイスピードインターネット」訴求にキッズの後ろ姿が使われることになったのか……

大事なものはセキュリティボックスに入れよう……と言いたいけれど

海外旅行慣れしていない私が肝に銘じていたことは「他人を信用するべからず」の一言。

いくら立派なホテルとはいえ、財布やパスポートほか貴重品を部屋に放ったらかしにしていたらいけないのだ。何があっても自己責任である。

部屋にセキュリティボックスが設置されていたため、大事なものはそこに入れておくことにした。4桁のロック番号を設定するか、クレジットカードを通すことでロックできるらしい(説明書の英語が読めた自分に感動)。

クレジットカードはスキミング云々のリスクがあるかもしれないので、ここは定番の「4桁番号」で。ビビリなので2回練習し、無事に作動することを確認。安心して大事なもの一式を封印した。

しかし宿泊2日目の朝、事件は起こった。

1日目に散財してしまったので、財布に現金を補充するべく早速セキュリティボックスを開けることに。練習した通りに4桁の番号を入力すると、「ピー」という音と共に液晶には「ERROR」の文字が点滅したのである。

……な、なぜ!?

スッと背筋が寒くなったが、こういうときこそ平常心である。

「いやいや、ボタン押し間違えただけだから!ね!」

自分で自分を励ますしかない。嫌な予感しかしないが、再チャレンジするしかない。

「もう1回、もう1回」

ミスチルを歌っているのではない。己を鼓舞しているのだ。無駄に広いツインルームにという自分の声が虚しく響く。負けてなるものか。

心を落ち着けて、ゆっくりと、設定した4桁を入力。

ピー。ERROR。

もしかしたら、暗証番号設定時に誤ってひとつ隣の番号を押していたのかもしれない。1桁だけ変えて再入力。

ピー。ERROR。HOLD15。

……HOLD15!?

いままで見たことのない表示に焦るも、「大丈夫、大丈夫」と独り言で応戦する。気を取り直して、違う桁の番号を変えて再入力……しようとするも、液晶表示が「HOLD15」のまま、動かない。えっ、えっ、と動揺しているうちに表示は「HOLD14」になった。

なるほど……3回間違えると、15分待ちね。

バラエティ番組でお手付きをして、赤いバッテンが描かれたマスクをつけさせられた気分である。なんたる屈辱!

さて、残された14分間をいかにして過ごそうか。ひとまずベッド脇に置かれたメモ帳を手元に用意。

実はこのメモ帳、つい20分くらい前に利用していたものである。タイはホテルのベッドメイクさんにチップを渡す風習があると聞いていたので、お札とともに英語のお手紙をしたためていたのだ。タイ初日が楽しくてテンションアゲアゲだったものだから、一生懸命Google検索しながら英語のお手紙を書いたのだ!!それが、なんだ!ものの20分で気分どん底だよ!!!

たった20分といえど、過去は過去、今は今。仕方がないので「設定したつもり」の4桁をベースに、メモ帳に間違えうる番号の組み合わせを列記していった。書き終えて液晶表示を見てみれば「HOLD04」(前掲の写真)。ううっ、4分、長いな……それこそミスチル1曲歌えば時間が経つか……。

そうこうしているうちにHOLDが解除され、再入力チャンスタイムに。列記したメモをもとに、ひとつずつ試していく。

ピー、ERROR。
ピー、ERROR。
ピー、ERROR、HOLD15。

なんと、あっけない……!

時計を見ると、ロビーでの待ち合わせ時間寸前だった。いいか、落ち着け。私の手元にはVISAカードと、少々のバーツ札と、パスポートのカラーコピーがある。グルメの師匠たちもいることだし、今日1日くらいはなんとかなるだろう。

しかもまだ、2日目の朝!まだまだ、何度だって試せるじゃないか。燃えるじゃないか。タイにいながらルパン気分だぜ!!(カラ元気)

ワット・ポーで懺悔する

この日はみんなで「ワット・ポー」に行く予定になっていた。バンコクで最古とされる寺院で、超巨大涅槃仏が有名である。みんな意気揚々とホテルのリムジンに乗り込むなか、私の元気は今にも崩れそうだった。無駄に後部センター座席を陣取り、その不安定さに身を委ねて「セキュリティ・ボックス・ショック」を振り払おうと努めるも、気持ちが全く晴れない。

ところで、私は4月8日生まれである。お釈迦さまが脇から生まれてきた日だとされている。だからなんだという話なのだが、この気持ちのまま、涅槃仏さまにお目にかかるのはどうも気が引ける。

「あの、すみません……」

ワット・ポーに向かうワクワクなリムジンのなかで、同行者たちに一方的に罪の告白をすることにした。

私は宿泊2日目にして、セキュリティボックストラブルを引き起こすようなバカな女です。あなた方の同行者はこんな愚かな人間なのです。ホテルから弁償請求されたら全額かぶります(当然)。

……といった一部始終をグルメの師匠ズに告白すると、返ってきたのは

「え、そんなの、ホテルの人がどうにかしてくれるでしょう」

「何かと思った」

「ホテルに帰ったら、フロントに寄りましょう」

3名ともあっけらかんとしたコメントを寄せてくれ、私の罪は一気に償われた気がした。ああ、よかった。これで涅槃仏さまに会える。こんな私でも会える。

仏さまは立派だった。みんなが見ている仏さまの輝きレベルが10ならば、私から見た仏様はレベル100だったことだろう。神々しかった。よくぞ告白しましたね……そんな微笑みをたたえているようにしか見えない。

ロック解除の試練

ワット・ポーからホテルに帰り、師匠に本件の経緯をフロントで伝えてもらった(私は英語が話せない)。「あとで部屋に担当者が行くから待っていてくれ」とのこと。

ここから先は師匠に頼れない。私ひとりで、ホテルの自室で応戦せねばなるまい。

ソワソワしながら部屋で待機しているとチャイムが鳴り、妙齢の女性スタッフが中に入ってきた。

何を言っているかわからない、が、「とりあえず暗証番号入れてみて」と言われているのがわかる。土壇場の力というのはすごい。かつて、大きな額のお札しかないのに香港でひとりでタクシーに乗り、運転手さんと英語対日本語でケンカして最終的にはセブンイレブンでお金を崩して解決した日のことを思い出した。

入力、ピー、ERROR。

「もう1回入れてみて」

入力、ピー、ERROR。

「もう1回」

入力、ピー、ERROR、HOLD15。

そりゃそうである。こうなることは分かっている。うつむく私の前で、女性はセキュリティボックスの扉をガチャガチャッと力で開けようとし、挙句の果てには

「覚えてないの!?」

と言ってきた。いや、正確には「言っていたと思う」か。

私のルー語&ジェスチャーだけでは「練習したときはうまくいったんですよ」という旨が伝えられない。咄嗟にGoogle翻訳アプリを立ち上げ、スマートフォンに向かって「1回目はうまくいきました」と滑舌よく話しかけてみた。

旅行中にGoogle翻訳アプリを数回使って思ったことだが、タイ語に変換してくれるのはありがたいものの、タイ語が一切わからないので、正しく翻訳されているかどうか確かめようがないのは問題である。画面を女性に見せても首をかしげられてしまった。

もう、がんばってルー語で突っ切るしかない。

「ファーストタイム、アイ・トライ・オーケーね」

女性も頷いている、よし、このままいくぞ。

「セカンドタイム、ディス・ボックス……」

そのあたりまで言いかけたところで、握りしめていたスマートフォンが突如タイ語で喋りだしたのである。

しまった、アプリをオフにするのを忘れていた!と画面を見れば、まったく読めないタイ語とともに、変換する言葉として日本語で「性感帯」と書きつづられていた。

私のクソ発音「second time」が、あろうことか「性感帯」と認識されてしまったのか……!

「ノー、ノー!これは違うの、あのね」

Google翻訳アプリなんて使うもんか。

そこから劇団四季にスカウトされんばかりのジェスチャーで「暗証番号は覚えていない」ということを伝えると、彼女もなんとか理解してくれたようで「わかった、10分待ってて」と言い残して去っていってしまった。

言語じゃないよ、ハート・トゥ・ハートだよ。

 

ぴったり10分くらい経ったころ、再びチャイムが。先ほどの女性だと思って「サンキューサンキュー」と言いながら扉を開けると、ドア前にいたのは黒服の男性2名(イケメン)。扉を閉めそうになったが、努めて冷静にセキュリティボックスのほうへご案内した。

彼らはサクサクとボックスを開錠してくれ、名簿のようなものに記名するよう促された。私の欄の前にも、それなりの人数の名前が書き記されている。私と同じ思いをした「心の屍」が積み重なっているようにも見えた。みんな、おつかれさんな……!

「コップンカー!ありがとう!サンキューね!!!」

全力で感謝の意を告げると、2人組はオーケー、と言いながらにこやかに立ち去っていった。なんて、かっこいいんだ……!

それにしても、あの女性はなんだったんだろうか。カギを開けるでもなく、何をするでもなく去っていった彼女。思うに「1次審査」である。いかに私が困っているか、本気度を確かめにきたのだ。私の渾身の全身コミュニケーションにより彼女から合格をいただけたことで、最終審査(というか開錠)フェーズに移れたに違いない。よくやった、自分。

もちろん罰金などは一切ナシ。涅槃仏さま、ありがとう。

その後私はセキュリティボックス恐怖症となり、貴重品はスーツケースに入れて施錠するようになりました。

▼こんなおしゃれなスーツケースです

yamama48.hatenablog.com

ホテル情報

アジア ホテル バンコク (Asia Hotel Bangkok) -バンコク-【 2017年最新の料金比較・口コミ・宿泊予約 】- トリップアドバイザー